2015年7月5日日曜日

細菌部隊

戦後の国会で初めて「細菌部隊」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/007/1196/00712231196005a.html



第007回国会 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第5号
昭和二十四年十二月二十三日(金曜
日)
   午前十時四十二分開会


議題は

 ソ連地区残留同胞調査に関する件
 (右の件に関し証人の証言あり)


・・・

○中野重治君 この残留の問題については逆送の問題もありますので、高山証人にお尋ねいたしたいと思います。先程佐藤甚市さんのお話でしたが、逆送のお話があり、淺岡委員の質問に更に答えられたのですが、そうしますと、佐藤甚市証人の言われた前職の問題というものは、特高関係憲兵関係特務機関関係等々の人々を意味するということになりますか。

○証人(高山秀夫君) それについて委員長、高山敷衍いたしたいのですが。

○委員長(岡元義人君) 高山証人。

○証人(高山秀夫君) 先ず前職者と規定されるものは連合軍の一員であるソ同盟に対する直接の攻撃に参加したものを言います。これは特務機関、それから憲兵、警察、警察は特に、憲兵もそうでありますが、国内の治安に当つていた者はこれに該当いたしませんが、ソヴイエトに対する直接の攻撃に参加した者、それから特殊部隊、例えばさつき御説明申上げました防疫給水部、いわゆる細菌部隊石井中将を長とする東條の直接の指導下にあつた恐るべき細菌部隊、これは人類の歴史から抹殺しなければいけないと思いますが、そういう恐るべき部隊、それから三四五、それからバルチザン部隊、これらのものが前職者として現在取調べを受けておる筈であります。逆送の問題についていろいろと問題になつておりますし、又当参議院においても人民参判云々の問題でいろいろと問題になつておりますが、この事実について私は特に四七年の三月から七月まで輸送が最も輻輳いたしました当時のナホトカにおける総責任者として、当時の問題についていろいろと御説明を申上げたいと思いますが、その当時四万程度の日本人が集つて参りまして、大体船は三日に一回、そうして戰時標準型のリバテイ型が参りまして、――輸送開始の当時は三千名前後積んでおつたのでありますが、大体六月頃になつてずつと二千名に限定されるというような状態でありまして、大体それが三日に一回、一ケ月の輸送はせいぜい二万程度であります。従つてどうしてもそこにそれだけの人間を置くことはできないし、これを後へ返さなければならない。こういうような実情でありまして、これを順次その附近の收容所に收容いたしまして、船の来るのを待つておるという状態であります。その当時反動であるから帰さないとか、或いは民主主義者であるから帰すというような差別は全然ありませんでした。それから又民主グループがいわゆる吊し上げによつてこれを残したということを言つておりますけれども、これはナホトカに来て圧迫された大衆が本当に階級的に見覚めて、これこそ我々の敵である、これをやらなければいけないという自然発生的な大衆集会となつてこの罪状が暴露されて、そうしていろいろなそうした問題が起きたわけでありますが、当時民主主義者としてナホトカに勤務いたしておりました我々といたしましては、これらの人達が若し大衆からいろいろな暴行を加えられるがごときことがあつてはならないというので、これを保護してやつたというのが実態であります。一例を挙げますならば、タイセツトから参りました血盟団の部隊、これは靜岡県の村上という人ですが、大体暴力団ですが、腕に全部桜と冨士をちりばめた入墨をやつておりました。そうして日本に帰つたならば必ずソヴイエトに対する復讐戰争をやろう。又民主運動をやつておる者を全部皆殺しにしようという計画をいたしていた部隊でありまして、そうしてこれらの部隊はナホトカの砂原の中に短刀を全部準備しておりました。これが大衆の中から摘発されてそうして船の中に入つたら、恐らく我々に暴力的な行為を加えて来ることだろう。我々はここにおいて彼らを徹底的にやつつけるという、いわゆる兵士大衆の下から盛り上つて来るところの大衆集会となつて来たわけであります。これは村上君も非常に自分が惡かつたと自己反省し、そうして是非あとの船で帰して呉れ、今皆と帰ると、いろいろと船の中で問題が起きると船長以下日本の船員に迷惑を掛けるからというような申し出がありまして、これを残しました。その代りに彼は、左の指だつたと思いますが、みずから大衆の前でこれを切つて、自分が惡かつた、今後は必ず正しい日本人として、民主主義者として立直るということを彼みずからが……、これは我々が強要して述べさせたわけでも何でもありませんが、彼みずから大衆の前に詫びていたという状態でありました。そういうような状態でありまして、決してこれはあそこにおいて民主グループが特定の者を帰さないという差別的な待遇をしておつたことは、全然私のおつた当時はありませんし、若し今他の証人が言われましたような事実があつたとするならば、これは何かの問題いだと私はこのように考えております。
 次にもう一つ附加えて置きますが……。

五体不満足

戦後の国会で初めて「五体不満足」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/145/0037/14502180037002a.html


第145回国会 予算委員会第七分科会 第2号
平成十一年二月十八日(木曜日)
    午前九時開議


議題は

 平成十一年度一般会計予算
 平成十一年度特別会計予算
 平成十一年度政府関係機関予算
 (運輸省及び郵政省所管)


・・・

○自見主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 運輸省所管について質疑を続行いたします。藤田スミ君。

○藤田(ス)分科員 私は、バリアフリー化の問題について質問をしたいと思います。
 質問の前に、私はちょっと大臣に聞いていただきたいんですが、今ベストセラーになっております「五体不満足」、早稲田大学の学生で乙武洋匡さんとおっしゃるこの人は、先天性四肢切断という障害、つまり手も足もほとんどない、そういう体で立派に早稲田まで進学されて、そして今こういう著書を出されて、大変すばらしい本の中身であります。私、随分励まされながら読みましたが、中でもこの人はこういうことを言っています。
 僕は日ごろから、環境さえ整っていれば僕のような体の不自由な障害者は障害者でなくなると考えている。例えば、駅にはエレベーターもついていない、バスやタクシーも車いすのままでは利用できないという状況では、移動が不可能または困難になる。そのとき、確かに僕は障害者だ。障害者を生み出しているのは、紛れもなく環境の不備なのだ。
 どうも涙もろいので困るんですが、そういうことを言っていらっしゃるわけです。私も、これまでずっと障害者やお年寄りに利用しやすい駅の改善をということを求め続けてきましたけれども、今回この乙武さんの本に出会って、はじかれるようにここに立っているわけであります。
 運輸省は昨年、優しい駅づくりということで第三次補正を組みまして、五十億円の予算と、補助率も一割から三分の一と大きくふやし、エレベーターやエスカレーターの整備を促進されるということになりました。この駅のバリアフリー化補助事業を活用して、この二月の五日までに申請された数は九十四駅、整備費合計百八十一億円のうち五十三億円を国が補助するというふうに聞いています。もちろん、これは精査をしなければ、多少の変動が出てきますので確定していませんが、いずれにしても、運輸省は、九四年から高齢者や障害者のための新施設整備ガイドライン、そしてそういう策定とともに補助金も制度化されてきました。
 この補助金の制度を活用してエレベーター、エスカレーターの整備をされているのが、これまで年平均十二、三駅、こういう状態でありましたが、今回補正で通常一億の予算を五十億にふやされたこと、それから補助率が引き上げられたことによってこの施設整備を大きく前進させたということは明らかでありますが、この点についてどう見ていらっしゃるか、まずお伺いをしたいと思います。

○川崎国務大臣 バリアフリーの問題につきましては、まず基本的に企業の社会的責任という側面があると思います。そういった意味で、私ども民鉄等を指導してまいったところでありますけれども、一方で、経営が極めて厳しい、必ずしも営業収益というものにつながることではございません、今申し上げたように社会的責任の方だろうと思います。しかしながら、それだけを両者が言い合っていては進まぬという中で、今御指摘いただきましたように、私どもも財政的な措置を広げます、地方自治体にも協力を求めます、その中で、民鉄またJRの方々、どうぞ前向きな努力をしてほしい、そして、一つの目標も指針として出させていただいたところでございます。
 おかげさまで、今回の予算につきましては、民鉄の方々も私どもの趣旨に賛同していただいて要求を出していただいておりますので、鋭意整備をことし進めたい。また、今後も継続して進めていくことが我々の大きな課題であろう、こう思っております。

○藤田(ス)分科員 私も企業の社会的責任ということは当然のことというふうに考えております。
 運輸省は、九一年のエスカレーター整備指針では、既設駅については遅くとも十年間を目標にして整備をする、つまり二〇〇一年を目標にして整備をするというふうに言われてきたわけですが、その目標を今回二〇一〇年というふうに先送りされました。指針に対応する全駅を二〇一〇年で整備する、こういうふうに言っているわけですが、これは、これまでのように年一億の予算ではなかなか進まないので、大臣、今おっしゃったように国の方も思い切って応援をしようという積極的な支援で計画の立て直しをして、今改めた目標を示されていると思いますが、二〇一〇年までに対象駅全駅で指針の設置基数が確保されるということなのか。つまり、現在残っている未設置の駅、あるいはまた設置が不十分な駅も含めて、すべて設置するということなのでしょうか。

・・・

HIV

戦後の国会で初めて「HIV」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/108/0110/10805220110003a.html


第108回国会 外務委員会 第3号
昭和六十二年五月二十二日(金曜日)
    午前十時三十六分開議


議題は


 国際的に保護される者(外交官を含む。)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
 人質をとる行為に関する国際条約の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
 アジア=太平洋郵便連合憲章の締結について承詔を求めるの件(条約第一二号)(参議院送付)
 アジア=太平洋郵便連合一般規則及びアジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)(参議院送付)
 南東大西洋の生物資源の保存に関する条約第八条、第十七条、第十九条及び第二十一条の改正並びに南東大西洋の生物資源の保存に関する条約第十三条1の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第一四号)(参議院送付)
 千九百へ十六年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件(条約第一五号)(参議院
 送付)
 特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件(条約第一六号)(参議院送付)
 世界保健機関憲章第二十四条及び第二十五条の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第一七号)(参議院送付)



・・・


○岡崎委員 次は、WHO憲章の改正にかかわって、エイズ対策のことをお聞きいたします。
 ことしの三月にWHO主催でジュネーブで開かれましたエイズに関する専門家レベルの会合で、海外旅行者に対するHIVエイズウイルスのスクリーニング、ふるいにかけることは過大な資金を要し、せいぜいHIVエイズウイルスの国内における蔓延を若干おくらせるのみであるので、教育を拡充することが重要である、こういう勧告が出されています。エイズ撲滅のためには、エイズ感染患者を法定伝染病と同列に置いて入国を規制するようなことはやるべきではなくて、こうしたWHO等の勧告についても大いに尊重していくという姿勢が政府としても求められていると思いますけれども、いかがでございますか。

○林説明員 御指摘のWHOのエイズに関する勧告でございますが、先生御指摘のとおり、海外旅行者に対するスクリーニングはエイズの蔓延を若干おくらせるにすぎず、スクリーニングよりはむしろ教育の充実が重要であるというものでございます。
 我が国の予防法案における入国規制、これは現在別途法案として審議をお願いしている次第でございますが、予防法案における入国規制につきましては、外国人の入国に際しまして陰性証明書を求めるようないわゆるスクリーニングを行うことは予定しておりませんで、上陸を拒否できる外国人は、エイズに感染している者であって、多数の者にエイズを感染させるおそれのあるものに限られるということになっております。したがいまして、我が国を訪れる外国人の中に仮にエイズに感染している者がいたとしましても、それのみによって上陸を拒否されるようなことはなく、これらの人たちが他の多数の者にエイズを感染させるおそれがあると判断されない限り、上陸を拒否されることはございません。
 このように、今回の法案における入国規制措置につきましては、繰り返しになりますが、エイズに感染している者であって、多数の者にエイズを感染させるおそれのあるものと限定してあることもございまして、その認定も慎重な手続を要するものであることから諸外国の理解を得ることができるのではないか、このように考えております。

○岡崎委員 いずれエイズ対策法案が審議されますので、そこでこの問題は論議されると思います。
 これに関連して一言触れておきたいのは、欧米と並んでアフリカでもこのエイズは深刻な問題になっているということが各紙の報道に載っています。最近の研究によるとアフリカには二千五百万人の感染者がいて、今後五年間に数百万人が発症、死亡するのではないかという予測さえも出されているわけでございます。
 重視したいのは、昨年十一月にコンゴで開かれたWHO主催のアフリカのエイズに関する研究会議で、アフリカにおけるエイズ感染の危険要因として医療行為そのものが挙げられているという点なのです。この報告によると、子供の年間に受けた注射の本数とエイズの感染が相関関係を持っているということを示しています。日本のように注射針を一人一本というのではなくて一本の針で何人もやって、これが感染の理由になっているようです。
 そういう点で、アフリカの子供たちが医療行為によってエイズ菌に侵されることがないようにしていくことが重要でありますし、我が国のアフリカ諸国に対する医療分野での経済協力も大変重要な意味を持つと思うのです。「サハラ以南アフリカに対する医療分野に係る経済協力実績」、これはそちらの方からいただいた資料でございますけれども、我が国の経済協力予算の中でどうも医療援助費が大変少ないのですね。
 五十六年度は五十億二千万円でODA事業予算費に占める割合は〇・〇〇五六%。ところが、六十年になりますともっと減りまして、二十九億一千万円で〇・〇〇二三%に減っているわけでございますけれども、やはりこういうエイズ等が大きく懸念されている時期でもございますので、相手国の要請によって行われるのが通例でしょうけれども、医療援助については格段の努力が必要ではないかと思います。これは大臣、どうでございましょうか。アフリカに対する経済援助、医療援助の問題ですね。

○倉成国務大臣 御指摘の点はまことにごもっともでございまして、エイズ問題が今日世界的な課題になっておるわけでございますから、この問題に関しては一層充実のために努力をいたしたいと思います。

○岡崎委員 ODA予算の中でもう少し医療費をふやすという方向で努力できませんか。

○倉成国務大臣 当然そういう方向で検討いたしたいと思います。

・・・

清廉

戦後の国会で初めて「清廉」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/001/1380/00107301380003a.html


第001回国会 隠退蔵物資等に関する特別委員会 第3号
昭和二十二年七月三十日(火曜日)
    午後一時三十五分開議


議題

隱退藏物資等に關する問題


・・・

○加藤委員長 中野四郎君から、隱退藏物資等に關する、及び世耕問題等に關する内閣の所見を求めておられまするので、中野君に発言を許すことにいたします。

○中野(四)委員 私はこの際片山總理に二、三所信を伺いたいと思うのでありますが、三項目にわけて逐次お尋ねを申し上げます。簡單に、きわて自信ある御答辯を願いたいのであります。去る七日の治安委員會におきまして西尾長官は、世耕君がもしほんとうに隱匿物資にかかわるスキヤンダルに現内閣の一、二の閣僚が關係していると言い張るなれば、内閣の名譽を傷つけるものとして、全閣僚の連名をもつてしても訴えるとたいへんいきまかれておりました。私はその清廉潔白な、自信たつぷりな態度がたいへん偲ばれて頼もしい限りでありました。また去る二十八日の本委員會におきましても鈴木司法大臣は、靜岡の砂糖事件に關する限り、現閣僚は何人といえども絶對に關係なしと斷言をせられました。私はこの言明を信じて、國家のため深く喜ぶものでありますが、ただしかしながら本委員會の性格は、單に世耕君の情報や靜岡の糖蜜事件をきわめるためにできたものでないことは明白であります。終戰當時の軍の放出の物資や、その後の特殊物件のみでなく、一般の重要統制物資の處分方法まで掘り下げて、全面的に穏退藏物資處理の適否を調査せんとするものであることは、開會劈頭政府に要求した十四項目の資料の性質をごらんになれば一目瞭然であります。私はもちろん片山内閣の諸公の人格の高潔を信じて疑いませんが、この際世間の疑惑を根本的に一掃して、かつ講和會議を目の前にして、日本政府の國際的信用と、日本の民主政治名譽を守るために、あえて片山總理の斷固たる所信をこの機會に表明してもらいたいのであります。すなわち本委員會の進行途上において、萬々が一、閣僚中に穏退藏物資の処理をめぐる醜聞に關係のある者が現われた場合におきましては、片山總理はいかにして内閣の名譽を保全し、國民に對していかなる責任を負われる覺悟なりや、この點御明答を承りたいと思うのであります。

○片山國務大臣 ただいま中野君から、現閣僚中に萬々が一、調査進行の過程中犯罪者が現われるような場合においては、いかなる處置をとるかという點について明快なる答辯を求むという御質問でありました。さきに鈴木司法大臣及び西尾國務大臣がお答えいたしました通り、砂糖事件におきましても、現在嫌疑を受くべき者は一人もいないのであります。しかし本委員會が愼重なる調査を進められまして、進行の過程において、萬々が一嫌疑を受けるだけではなしに、ほんとうに犯罪の事實明らかである、こういうような問題が起りました場合におきましては、もちろん私はその犯罪の事實顯著なる者に責任を負わせることに決して躊躇するものではないのであります。この點を明らかにお答えいたします。

・・・


未解決事件 鹿児島県

鹿児島県警察のHPより

https://www.pref.kagoshima.jp/ja07/police/onegai/mikaiketu/index.html



相模原市南区当麻で発生した殺人未遂事件
https://www.pref.kagoshima.jp/ja07/police/onegai/mikaiketu/sagamiharaminami.html

鹿児島市田上台強盗殺人事件
https://www.pref.kagoshima.jp/ja14/police/onegai/mikaiketu/onegai_12.html

阿久根市 大川強盗殺人事件
https://www.pref.kagoshima.jp/ja14/police/onegai/mikaiketu/onegai_ookawa.html

独裁

戦後の国会で初めて「独裁」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/001/0512/00107030512010a.html


第001回国会 本会議 第10号
昭和二十二年七月三日(木曜日)
    午後二時十三分開議

 議事日程 第九号
  昭和二十二年七月三日(木曜日)
    午後一時開議
 一、國務大臣の演説に対する質疑(前会の続)




○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 一 國務大臣の演説に対する質疑(前会の続)

○議長(松岡駒吉君) 國務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。吉田茂君。
    [吉田茂君発壇]


・・・

○星島二郎君(続) よい慣習法を作りたいために申し上げるのでありまして、願わくば、これに対しまする片山首相の率直なる御所見を承つてみたいと思うのであります。(拍手)
 第二点は、やはり憲政の運用上、ただいまも総裁と総理との質疑應答の間に話が出ましたが、この危機突破、この非常時に、祖國再建の、救國のためには、率直に申しますれば、私もこれは連立でいくべきだろうと当初考えておつたのであります。しかし無條件でいくと申したのではない。それには一定の條件があります。むろん議会政治はある程度まで妥協であります。しかし妥協ばかりが能ではない。やはり典型的野党があつて、嚴正なる批判をいたすことが、憲政運用のために(「ヒヤヒヤ」拍手)かえつてよいのではないかということを――諌臣なくんば國滅ぶということがある。しかしながらわが党総裁の申されたごとく、救國済民のためには、われわれはどこまでも片山内閣を支持して、この危機突破のために協力することは厭はないが、しかし吉田内閣は、社会党に対して、野党として相当注意深く処し得たことは、やはり私は野党としての十分の存在價値があつたと思うのであります。
 但し、ゼネストを指導されたり、ストライキの指導や、あるいは労調法の反対運動のときには、若干迷惑はいたしたけれども、やはり野党としての御注意があつたことによつて、注意深く処したことに対しましては、そういう意味から、今日は成ほど非常時ではあるけれども、一つの野党があつて、嚴重に監視、批判する。東條式の挙國一致体制は、もう少し古いではないでしようか。今日自由党が、政策協定の範囲内におきましてはどこまでも御支持申すけれども、野党として立つたことに対して、世論はこれを支持します。党員は、むしろよく野党になつたと言つて激励してくれます。一昨日の施政方針の御演説中におきまして、片山総理は、なお四党連立を望んでおられるのであるか、片山首相のこれらに対する御所見を承りたい。
 次にお伺いしたいと思いますのは、一昨日の御演説中、高度の民主主義ということを高調いたされました。片山君平素の蘊蓄を、われわれは十分承ることができたのでありますが、この高度の民主主義ということにつきましては、ややもすれば明瞭を欠いております。なるほど御説明中、これは人道主義であり、議会主義であり、社会民主主義であるとは申されておりますけれども、ただいまも吉田総裁の御演説中に触れられておりますように、現在の社会は、何と申しましても二大潮流のありますことは、皆さまお認めの通りであります。一つは健全なる民主主義と申しましようか。あるいは一つは、全体主義的社会主義とも申しましようか。前者は、経済的に自由主義を伴い、政治的には議会主義をとるものでありまするが、後者は、経済的にはどこまでも計画経済、統制経済、政治的には一党独裁の弊に陷るものであるのであります。
 われわれ自由党は、極右に偏せず、極左に偏せず、中道を歩んで、國際協調で、遺憾ながら日本は今日世界に孤立いたすことはできませんので、世界の多くの國々と協調して進まなければならぬと思うのでありますが、私は片山君個人の御思想、御意見はほぼ想像できるのであります。殊に先般ロイター通信によりますというと、英國労働党を兄として学んでいきたい、かようなお言葉は、多分これは片山君の平素の御思想からみれば誤報ではないと思うのであります。おおむねそれで察知できますけれども、君の率いる社会党は、このいずれに行かんとするか、承りたいと思うのであります。(拍手)
 次に、企業整備失業問題とに関しまして、いささか所管大臣より承りたいと思うのであります。傾斜生産は企業の再整備を伴います。それにつきましては、ただいま首相仰せのごとく、企業の合理化のためには、ある程度まではやむを得ない失業者を出しましよう。これらに対しましては、親切なる、できるだけのことをいたさなければなりませんが、在野以來、喧々囂々、吉田内閣に迫つて見えたその社会党の諸君が、將來労働省を設立されて臨まれるからには、必ずやこれに対しては相当なる御意見があると思うが、それを承りたいと思うのであります。(拍手)
 殊にこれに関連いたしまして、ちよつとお伺いしたいことは、去る七月一日、いわゆる七・一禁令が発布されました、飲食営業緊急措置令です。これは一面高級料理店等に対しましての措置としてはやむないことでありましようが、この問題はさておきまして、現在議会の会期中に、多くの失業者を伴うごとき、かかる大変革をひき起すような措置を、ポツダム勅令――今日は政令、これによつて議会会期中出されるといふことは、一体いかなる御所論であるか。(拍手)
 反動内閣と言われて非難された吉田内閣でさえ、金融非常措置令のごとき、実はポツダム勅令によりたかつた。けれども、議会を尊重して、各党派に御理解を得て――この法案は、ほんとうに審議すれば一週間もかかるでしよう。けれども、こういうことであるからというので、内情を吐露して話した上で、一日のうちに、かかる大法案を突破した事実があるではないか。民主主義を高調される現内閣は、この挙に出ず、突如として七・一禁令を出されるごときことは、はなはだ非立憲と批評されても、御弁解の辞はないと思うのであります。(拍手)
 なお労働問題に関連いたします上に、もう一つお尋ねしてみたいことは、労働調整法であります。労働調整法を前内閣が提案の当時は、この議会の周囲は、社会党の率いたる人が十重、九重に囲んで、反動内閣打倒すべしとか、かかる惡法は葬れと絶叫されたのでありますが、これを支持したる國民協同党、この両党は、今日この労働調整法――諸君が唱えて反動なり、惡法なりと唱えたこの案は、今日その政策協定のわく外であります。これに対する改廃はなさるのであるか。これに対する御所見を伺いたいのであります。
 次に、食糧問題に対しまして、いささか申し上げたい。すでに昨日以來いろいろ御所見があつたのでありますが、われわれは党派を超越して、この問題ははかつていきたい。吉田内閣時代にも社会党諸君は、食糧問題については、在野であつても眞劍な態度をもつて、いろいろ各種委員会において御協力賜わつたことは、当時の当局者としても、感謝しておる次第でありまするが、昨日平野農相の、これを政爭の具に供するごときことは――あとでその御意見を承りたいと思うが、かかる言葉がつい出るということは、はなはだ遺憾千万と思うのであります。(拍手)案ずるに、在野時代の多くの言責が頭にあつて、それを責めらるるの恐ろしさに、好ましからざる言が出たと思うのであります。(拍手)
 実は農林行政の第一人者をもつて任じておられる平野農相が、その局に当られたがゆえに、あるいは選挙のときに、あるいは平時に、社会党内閣が実現したならば、三合はもらえるだらう、食糧は増配できるであらうと、皆國民の多くは期待されますけれども、昨日発表になりましたが、これに対して與えられたものは何であります。いわゆる計画遅配だ。縁故米である。そうしてこの料理店の禁止である。この三つ以外にはないのであります。これは要するに、パンを求めて石を與えられたと批評されても文句はないでしよう。(拍手)
 私は殊に残念に思いましたことは、和田農林大臣に決定されましたる二合五勺の配給に対しまして、やや非難がましい御口吻を聞いたことは、まことに意外とするところであります。吉田内閣当時の和田農相は、苦心を重ね、世間、殊に社会党諸君の大多数から三合要求のある声に應えて、二合五勺を決定されたように私ども承つております。もし二合五勺の不合理を責めるならば、その前に、それを要求したる三合論を責めるべきであります。(拍手)殊に二合五勺の中に、副食物のカロリーを含めるようなことが、巷間傳えられておりまするが、こういう結果になりましたことは、非常に驚くのでありまして、願わくば平野農相より、昨日の失言と並びにこれに関する御所見を明瞭に承りたいと思います。
 次に、たびたび議論はされましたけれども、私どもも、一言インフレ問題について論ぜざるを得ません。生産面を偏重いたしますことによつては、金融の機能がゆるんでまいります。金融を偏重しますと、生産面は窒息をいたしまするし、生産の減少があつては、惡性インフレを防ぐことはできません。こういう際には、実は社会党の財政政策に対しては――片山内閣のできることに対しては、欣然われわれは推したのでありますけれども、その財政面に対しては、多大の危惧をもつておりましたところが、今回われわれと思想系統を同じゆうする栗栖藏相ができたので、若干安心はいたした。(拍手)
 しかし昨日の御所見によりますと、新円所得者に高額の課税をいたすというその方法として、ただ税務官吏を殖やす程度では、はなはだ心細く思うのでありますが、願わくば、石橋財政を正面より攻撃された社会党は、栗栖君を助けて、ここに國民が要望するインフレ対策を発表していただきたい。それは諸君が政治道徳上の責任者といたしまして、われわれは要求する権利があろうと思うのであります。(拍手)
 企業整備につきましては、当然失業者を伴いますが、私の恐れますところは、また今回の企業再整備で、中小工業者が傷められることです。中小というよりも、今日はもう中もありません。小及び零細商工業者、これを保護いたすことに、万全を期せられたいと思います。金融方面につきましても、事業の助成におきましても、殊に見返貿易品の振興にいたしましても、格段の御注意を願いたいと思いますが、水谷商工大臣、新しき政策ありや否や、承りたいと思うのであります。
 次に石炭問題について、一昨日の施政方針の演説の中で、片山首相は水力電氣の開発を高調されました。まことに同感であります。しかし水力電氣の開発には、セメントが要ります。セメントをつくるには、石炭が要ります。結局すべての産業は石炭に起因すること、皆樣御承知の通りでありますが、われわれは、この石炭増産第一主義で、経営形態はまず二の次にして、何とかして三千万トンを出したいということに全力苦心をいたしてきたゆえに、私は水谷新商工大臣が、みずから石炭大臣と号して、裸でもつて飛び込んだことは――その水谷君の熱意に対しましては、壇上より敬意を表するものであります。しかし昨今首相の口より漏るる國管、あるいは昨日來議場にある水谷君の國管の根本に、國有國営のイデオロギーが存しておつて、今日の國管は次の國有であることを意味するならば、それは政策協定を逸脱したものであつて、自由党は断じて賛成できないものであります。(拍手)
 われわれは、目下の急務といたしましては、何とかして三千万トン出したい。それには経営形態をいろいろいうよりも、経営者も労務者もともに励む心になつて、一生懸命になつて働きよいようにすることこそ、増産の第一義であつて、今日石炭復興会議等に、労資協調いたされまして、労働組合の方も参加されまして、いろいろ熱心に御審議があり、その結論に、結局炭價の前きめ制、あるいは生産資材のために、いろいろ御考慮のあることをいたしまするならば、私は何もここで國有國営をイデオロギーとして、國家管理という大なたを振わぬでも、いたずらな機構いじりのために石炭が出なくなつたならば、かえつてそれこそ、日本は由由しい結果になることを御記憶願いたいと思うのであります。(拍手)
 私は鉱区の分合整理のごときは必要と思います。これは重要鉱物増産法でできることです。あるいは生産資材は、石炭生産公團のごときものをつくられるという噂もありますが、それも結構。あるいは生産協議会、水谷君の仰せられたこういうことをもつて、ほんとうに労資が相和して一生懸命になりまするならば、何もこの際國有のイデオロギーを出されぬでも、石炭は出てくることと思うのであります。(拍手)殊に三千万トンを出すための、遂行するための國管方式といふことを言つておりまするから、このことを水谷商相より承りたいのであります。
 最後に、これは誤解を受けては困りまするから、愼重な言葉で申し上げたいと思いまする一点は、賠償問題です。昨日もこの壇上で、加藤君よりこれに触れられました。製品をつくつて、これにかえることはできないか等の問題もあつて、これは聽きようによつては、いろいろな噂を生みまして、賠償問題には、むしろ公の席で触れない方がいいだろうという御注意も承つたのでありまするが、しかし今日の日本の現状よりいたしますれば、衷心よりこの問題を懸念しておる者が多いことは、その声が議会の正面まで現われること、これまたやむを得ないことであります。
 そこで当局にお伺いしたい点は、賠償は、戰敗國の軍備の再備を許さない。これは当然である。それと同時に、平和的経済を破壞する範囲であつてはならぬといふことは、ポツダム宣言にもその趣旨が出ておることであります。一昨年の十二月、ポーレー案が新聞紙で発表され、あるいは昨年の五月、極東委員会において若干修正が加えられ、あるいはまた昨年の十一月、司令部の委員会等におきまして、いろいろ案が出まして、おいおいとお互いの眞の要求を忖度されまして、ある程度緩和され、日本の産業が再建されるために、よほどの御好意を受けておりますことに対しましては、この壇上より厚く御礼申すものであります。
 われわれは、何とかしてできるだけ少くしてもらいたいということ、これは率直な話でその通り。その代り一旦出すものと決定いたしました以上は、われわれは住宅資財を節約してまでも立派な箱をつくつて、完全にこれを送り届け、そうしてその機械が完全に運轉するように、技師さえもこれにつけて送りたいと思うものであります。講和会議も近づき、その前に賠償実施もだんだん近づいておるのでありますが、これに対する政府の御用意、お心構えはどうであらうか、最後に承つてみたいと思うのであります。以上に関する関係諸大臣の御答弁を促します。(拍手)

・・・

ジョージアを知っていますか?

「グルジア」(ロシア語)から変更されました。

外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/georgia/


在日ジョージア大使館
http://japan.mfa.gov.ge/index.php?sec_id=70&lang_id=JAP


在ジョージア日本国大使館
http://www.ge.emb-japan.go.jp/japan/




第189回国会 外務委員会 第2号
平成二十七年三月二十五日(水曜日)
午前九時開議

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/189/0005/18903250005002a.html


議題
政府参考人出頭要求に関する件
在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
国際情勢に関する件


・・・

○土屋委員長 次に、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣岸田文雄君。

    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――

○岸田国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。
 改正の第一は、在グルジア日本国大使館の名称及び位置の国名を、それぞれ在ジョージア日本国大使館及びジョージアに変更する等の規定の整備を行うことであります。
 改正の第二は、在レオン及び在ハンブルクの各日本国総領事館を新設するとともに、同総領事館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めることであります。
 改正の第三は、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。
 以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定については、平成二十七年度予算と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

○土屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十七日金曜日午前八時三十分理事会、午前八時三十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十五分散会

2015年7月2日木曜日

ゴルゴ13

戦後の国会で初めて「ゴルゴ13」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/159/0060/15903180060004a.html

第159回国会 財政金融委員会 第4号
平成十六年三月十八日(木曜日)
午前十時開会

議題は、以下

政府参考人の出席要求に関する件
財政及び金融等に関する調査
 (財政政策等の基本施策に関する件)
 (金融行政に関する件)
平成十六年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)




・・・


○田村耕太郎君 引き続きの御努力をよろしくお願いします。
 少し話題を変えまして、今度はちょっと、この二法に関してこれはちょっとそれますが、介入と人材活用の話をさせていただきたいと思います。
 これ、一部報道なんかでも話題になっているんですが、ある劇画ですね、隔週の週刊誌に掲載されています劇画で、日銀と財務省とアメリカとの間で為替介入をめぐる、そういう劇画が大変財務省の中で話題になっていると、日銀の中でもなっていると。これがアメリカとの間を陰謀的にかいているものなんですが、もう劇画になるぐらい国民に対してある意味介入は関心を持たれていると思うんですね。
 介入限度額が、これよく聞かれている話だと思うんですが、介入限度額が補正で変更されていますが、この辺りのやり方に関して、「失敗の本質」という名著がありましたけれども、その中にあります戦力の逐次投入になってはいないか。ある元財務官の方は、介入というのは冷や酒のように後で利いてくるものだというふうに言われて、これから効果が出てくるのかもしれませんが、今までの介入のやり方と効果に関して大臣はどのように御分析されますか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 今、田村委員がおっしゃったのは、名前出していいのかどうか分かりませんが、ビッグコミックに連載されているゴルゴ13のことだろうと思います。それで、このことを質問で取り上げられると、こういうんで、私も二十年ぶりにゴルゴ13を読みましたけれども、なかなか今の立場を離れて読めば面白いストーリーにでき上がっているなと、こう思うわけでございます。
 それで、今委員がおっしゃいましたように、確かに、このところどういう介入をしてきたか、一つ一つは申し上げませんけれども、後からその介入、どれだけ言わば使っているかというのを発表しておりますので、それをごらんいただいたら、相当な介入をしているということはこれはもう否定すべくもないことでございます。
 それで、介入の効果とかやり方というのは私の立場で非常にしゃべりにくくて、どういう効果をねらっているかということになりますと、つまり、どういう水準を考えているんだとか、いろんな思惑を生んでしまうわけですので、効果、その効果については私は結局いろいろな方、識者の御判断に任せると言うしか言いようがございませんし、それから手法も、こういうふうに考えているとか、あるいは過去のを顧みてこういうところを反省点としているんだと言いますと、またすぐそれが響きますので、これも誠にお答えしにくい。
 ただ、これも繰り返し申し上げておりますけれども、我が国の介入は一定の水準を、例えば円安のある水準をねらうとか円高のある水準をねらうということを意図して行っているものではありませんで、ファンダメンタルズの動きを安定的に反映しているのではない投機的な思惑的な動きがあったときにそれに対応するという目的で行っておりますので、今後とも、必要なときはやりますけれども、必要でないときにはやらないと。
 何を答えているのか分からぬと言われてしまうとそうですが、そう言うしかお答えのしようがちょっとないんで、申し訳ございません。

○田村耕太郎君 この劇画の中にも出てくるんですが、今FTAなどの経済的な連携が強まる中で、将来的にはEUみたいな形で通貨統合を目指す選択肢も準備するべきではないかということがあるんですが、財務省としてはこれに関して何か準備とか研究とかしているというような事実はあるんでしょうか。

○国務大臣(谷垣禎一君) 東アジア向けの輸出というのは今アメリカとEUを足したよりも大きくなっていると。非常にアジア諸国と我が国との、東アジア諸国と我が国のつながりは最近緊密化していると思いますし、したがってアジアの安定ということも我が国にとって極めて重要なことでございます。
 そこで、アジアと我が国の結び付きに関して財務省どう考えているかということでありますけれども、これは、その目的をどこに置くべきかというようなことについてはいろんな御議論があろうかと思います。EUのようにユーロみたいのを設けるべきだ、通貨統合しなきゃいかぬというようなお考えを持つ方もあるでしょうし、いろいろだと思いますが、財務省としてはまだそこまで固定的な考え方を持っているわけではありませんで、今やっておりますことは、大きく言うと、大きく言うとと言ってみますと、一つは、やはり私どもも関税局がございますから、いわゆるFTAみたいなものを推し進めていくことは、これはアジアにとっても、アジアとのFTAを進めていくということは極めて大事なことだろうというふうに考えているわけであります。
 それからもう一つ、金融面からいいますと、やはり私どもはあの九七年、九八年のアジア金融危機というものが強く頭にありまして、やはりあれを再び起こしてはいけないということだと思いますね。それで、チェンマイ・イニシアチブというのを二国間で組み合わせて全体のネットワークをする。昨年の後半でシンガポールに入っていただいて、この二国間通貨スワップの取決めのネットワークの構築ができたわけでございますので、これを今後またどのようにしていくかという議論はあると思いますが、それが一つであります。
 それからもう一つは、アジア債券市場育成イニシアチブというのを、これは日本が主、まあ一番中心になってやっておりまして、これはアジアの各国の間に、アジアではそれぞれの貯蓄というのは、域内の貯蓄というのは非常にあるわけですが、必ずしもそれがその域内の長期的な投資に向いていかない。そこで、海外から短期のものが入ってきて、それがぱっと動くとアジア危機が起こったというようなことでございますので、その域内の安定を図っていくためにも、このアジア債券市場の育成、それから現地通貨建ての債券の発行といったような、そういうアジア債券市場育成プロジェクトというのを今一生懸命推し進めていると。
 それから、通貨制度の協調の在り方ということに関しましては、関税・外国為替等審議会の専門部会においても報告がいただいておりますが、こういう報告の中にあります専門家や研究機関の知見も参考としながら、東アジアの政策当局者間で中長期的な課題として検討しなきゃならないことで、現に政策当局者間でのいろいろな意見交換は緊密に行っていると、こういうことでございます。

・・・

2015年7月1日水曜日

風俗嬢

戦後の国会で初めて「風俗嬢」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/162/0083/16205110083007a.html

第162回国会 少子高齢社会に関する調査会 第7号
平成十七年五月十一日(水曜日)
午後一時開会

議題は、以下

少子高齢社会に関する調査
(「少子高齢社会への対応の在り方について」のうち少子化の要因及び社会・経済への影響に関する件)


・・・


○参考人(赤枝恒雄君) 私は、ここでこういうふうに今日お呼びをいただいたことはもう本当に待ちに待ったといいますか、昨日も遠足に行く子供のように一晩本当に寝られなくて、今日わくわくして参りました。本当にありがとうございます。
 実は私は、昭和五十二年ですから、二十七年前から六本木のアマンドの七階で産婦人科を始めました。一年ちょっとで裏に移りましたけれども、六本木の交差点からもう二分ぐらいのところで産婦人科をやってきたわけです。
 この二十七年間の間の最近十年ぐらいで思うことは、どうも子供たちが手後れ状態で産婦人科の我々のところに来ると。性感染症にしていえば、コンジロームとかヘルペスがかなり広がった状態で、入院をしなければ駄目なような状態で来る、又は出産間近になって、お腹が痛いと言って来たら実はもう出産間際で、妊娠していておろしたいと、そういう中学生が来たり、手後れ状態ということで、何でもっと早く来ないんだという会話がいつも繰り返されてきたわけですけれども。そこで子供たちがみんな言うのには、必ず産婦人科が怖いと言うんですね。産婦人科が怖い、何をされるか分からない。それからお金がない、保険証は借りられない、この三つが比較的大きな要因ではあるわけですけれども。
 それじゃ、私たち産婦人科医が町へ出て行って、どこか比較的子供の目の触れる喫茶店みたいなところで何か相談室をやったらどうだろうと思って出ていったわけですが、それは六年前の、ハンバーガーインというハンバーガーショップに出ていって、夜、毎週一回木曜日の夜と決めてやっているわけですけれども、しかしそこで知り得た子供たちの性の実態は、これはもう驚くべきことでありました。
 実に、私は子供たちの学校の先生の友人でもなければ親の友達でもないということで、私には本当のことをすべて話します。その中でびっくりしたのは、やはりここまで進んで親が知らないことを子供たちがやっているというこの事実。それはやはり、あいさつ代わり、つまり子供たちにとって遊ぼうというとこれはセックスを意味するわけで、遊ぼうというとセックスをしてしまう子供たち。そこには、コンドームを付けると格好悪い、いけてないということでコンドームを使わない、しかもその数をこなすのを比較的自慢している子供たちがかなりいるという。
 こういう事実を私が知ったときに、これでは相当子供たちの性感染症がひどいことになっているであろうということで、私は、三百枚の、三百人分の無料性病検査券を夜配りました。港区の九つの診療所と協力していただいて、この券を持っていったらただで診てくれよということで配りましたところが、百二十五人が受けてくれて、八一・六%という数の子供たちが何かの性病にかかっている。
 これは大変なことだということで、今やっているのが、都内のまじめな高校生、まじめと思われている高校生の性感染症の実態。これは自己採取という、おりものを自分で採ってもらって送ってもらうシステムですが、これを我々は、我々というか私はやっているんですが、今二百三十三人ぐらいの検体で調べてみましても、やはり一九%ぐらいにはクラミジアはいますし、四〇%近くパピローマウイルスの感染がいるわけですね。
 これはもうとんでもないことになってきているわけなんですが、一方、親たちに言っても、いまだにそういう事実を直視しないで、うちの子に限っては問題ないと言いますが、例えば援交をやっている子供たちでも、中学生で、親が学校行きなさいよと言って親が先に出ていく、母子家庭なんかそうですが、子供が残っていて、そのまま制服を着て渋谷に援交に行くわけですけれども、そういう子供でも、その親に聞くとうちの子はバージンだと言い張るわけです。
 子供たちの意識としては、その後、子供は最終的にはつかまったんですが、つかまって親がうちに連れてきたときには、うちのこの子は援交しているんですと最初は言ったわけですね。実はその子は、診察台上がる前に、親がいないところで、先生、私、援交じゃなくてパクリやっていたんですと。つまり、プリクラの、みんながプリクラで写真を撮っている間に下に置いたバッグを取って、そこからお財布とかみんなあれして相当なお金を持っていて、それが親にばれたわけですけれども。
 つまり、子供の意識は、援交していたと言う方が親に言いやすい。親は援交していたということは大変なことだというんで連れてくる。親の意識と子供の意識は完全に今はずれております。子供は、援交していなくても、このお財布の中のお金はどうしたんだと聞かれると、援交したと言うわけですね。実は本当はパクリで、そういうプリクラの中のお財布を取っていた。だから、今の子供たちにとってみたら、援交なんというのはパクリよりももっと罪の軽いことだと思っているわけですね。
 そういう親の意識が子供と随分ずれているということもあって、性感染症はどんどんどんどん広がっていく。しかし、に対する教育は家庭でもできない。僕は家庭でできないという意味はよく分かりますけれども、それはできなければ子供に対してそれなりのしつけをすればいいんですが、それももちろんできていない。学校でできないというのは、これはいろんな議論もあるでしょうけれども、学校でやっぱり命の大切さ性の、生殖の大事さジェンダーの大切さ、違い、そういうものを小学校のとき徹底して教えていく。中学の卒業のときには、性感染症避妊については一〇〇%、テストして、試験をして、できなければ卒業させないぐらいの、そういう徹底した、それやっておけば問題はないんでしょうけれども、そういうのがないためにどんどんどんどん広がっている。
 厚労省が、今や、おととし出した、十代の出産を予定している子供たちの、ここに、お手元にもありますけれども、相当な数ですね、四六%ぐらいがもうパピローマウイルスにかかっているし、十代でまじめに出産を考えている子供たちのもう、お手元にはこれないですが、十代で出産を考えている子供のほとんどの子供たちが性感染症にまみれているという悲惨な状態にあるわけなんです。
 こういう現実を直視しないで議論を進めて、議論ばっかり繰り返されて、我々も体験として、日本産婦人科医会というところで二十八年前からこういう性教育というものを全国規模でやっても、二十八年前のテーマが、たまたま今問われている中学生のセックスがおかしいということが二十八年前のテーマであり、今またそういうことを言っていても何にも、進歩はしていないどころか悪化をしている。
 やはり我々大人が何かをしなければいけないんじゃないかというところで、私自身がもう何かをしなければいけないということで始めたのが街角相談室、これは六年前からやっていることでありますけれども。それから、エイズの検査だってみんな受けに来てくれない。エイズは怖がって来てくれない、それじゃ自分たちが子供たちの遊び場に行って、夜のクラブに行ってエイズ検査を受けてもらおう。これも毎月のように百人ぐらいが大体受けてくれます。これも二年前からやっている。こういう、あと無料検診、つまり高校生を中心とした、自分でおりものの多い人は送りなさいということで、無料検診で、性病の無料検診も今やっているわけです。
 こういうことはいずれ行政の方に肩代わりをしてもらいたいと思って僕も今頑張っているんですけれども、今日、この場に出さしていただいて、私はそういうところを大きく前進するんではないかと期待して、昨日も眠れない思いでわくわくして来たわけですが。
 ちょっとスライドを用意しましたので、ちょっと見てもらいたいと思います。
 皆さんに見てもらいたいことが一杯ありまして、知ってもらいたいことが一杯あって、スライドが膨れ上がっちゃって、これ全部やって、昨日も自分でやってみても四十分掛かるんで、これちょっとまずいんで、ぱぱぱっと早送り的になってしまいますけれども、あと十分ばかりで終わるようにいたします。
 じゃ、照明をちょっと落としていただければ。(資料映写)
 これは体験率が、これはもうよく出るあれで、女性の方がもう半数を超えている。十代の子供たちのもう性行動というのは、お休み、何かのイベント、例えばああいうクリスマスとか、春からいくと春休みがあり、それからいろんなイベント、夏休みがあり、クリスマスがあり、まあバレンタインもあるんでしょうけれども、お正月あり、そういう何かイベントがある後に我々のところに、三週間後、不思議なもんですね、三週間後に先生生理がない、四週間後には先生臭い、もうこれがパターンとして必ずあります。休みの後の、何かイベントがある後の三週間後には生理が来ない、四週間後には臭い、怖い。こういうふうな子供たちの性行動にはパターンがあります。
 これはもう今日は皆様にも是非知っていただきたいと思うのは、これは街角相談室に遊びに来る中高生たちがよく読んでいる漫画、これは置いていくわけです、家に持って帰れないから。それを見ると、これはコンビニで買ったらしいんですけれども、中身はこのとおり、これは中はもうセックスに関する漫画ばっかりですね。
 それで、裏を開けてみると、裏の表紙がまたこの豊胸ですね、これやっぱり社会が言う、あおる、つまり女性を比較的こういうセックスの遊び道具としてのとらえ方で、豊胸がいいよと、巨乳がいいよというのは、これは今の子供たちの間でも、もう十分みんなが意識しているわけです。こういう広告がこの中のページも全部、いろんなところに載っていますけれども、売れるということは、やはり豊胸手術に行っている子供たちもいるということです。
 これはちょっと年代が上がって、まあ高校生から大体短大生ぐらいのティーン雑誌。ティーン雑誌の中もこんなもんですね。もうセックスに関する、それも性行為そのもの、性行為そのものがどんどん出てきます。これを見ても分かるように、この風俗嬢がレクチャーするなんて、風俗嬢が中高生、また高校生、短大生にこういうセックスのレクチャーをする。男を気持ち良くさせるテクニック、こんなことが、こんなの不思議なことでも珍しいことでもないわけです。
 我々のところでは、保険証を持って来るわけですから、どこのどういう会社のOLさんというのはすぐ分かるわけです。そのOLさんが性病検査やってくれって来るんですけれども、定期的に来る。お仕事は会社じゃないんですかと、いや、今風俗でバイトしているんです。今は売春婦の方もそういう一般の方も、全く差別がないです。
 そういう差別がなくなるのは、一つのやっぱりメディアの中の、これはファッション誌みたいにかわいい雑誌ですけれども、実はこれは風俗の紹介誌です。この中に出てくるのは、これはもう基本的なパターンです、この求人の。自由出勤、わがまま出勤、一日二、三時間でもいいですよと、月一回でもいいんですよと。それで、毎日五万円が確実にもらえます。それで、未経験でも大丈夫なんですと、お客さん一名だけの体験入店でもいいんですよと。それで、うちは会社の名前を使って名刺も作って、アリバイもやりますよと。もしあなたが知っている方が来たら困るんで、そういうモニターチェックもできますよ。個室ですから、お客さんいないときは自由にくつろいでください。こういう種類の、もう至れり尽くせり、こういう風俗の求人誌はこのとおりです。これが求人誌の今の現状ですね。
 子供たちがそういうの知識をどこからもらっている。これは東京都庁、都庁が青少年の育成に関して出した統計ですけれども、ほとんど友人、その次先輩、これも友人に入りますけれども、ほとんど友人、先輩で、学校の先生からの知識とか親の知識はほとんどないわけですけれども。
 ここで問題になるのが、どこから得ているか、知識の、アダルトビデオってやつですね。このアダルトビデオ自体がもう歴史が長くなって、普通の一対一の性行為正常位セックスをだれに見せてももう飽きちゃっている。飽きちゃっているから、どんどんどんどん人がしないようなセックスをする。複数のセックスをする、又は器具を使うようなセックスをする、レイプを見せる、いろんなところでふだん行われないことを、アダルトビデオというのは売らんがためのものですから、こういうものを企画して、それで監督さんがいて女優さんと男優さんに演技をさせている。この演技だということが分からない。しかし、それをうそだということをだれも言うチャンスがない。子供たちはひそかに、男子でいえばもう五〇%女子でもああいう漫画を見ながら五〇%の子供たちはそういうところから間違った情報をもう得ているわけですね。
 実際、そのアダルトビデオのまねをされたら困るわけです。あれは本当は非常に危険なセックスなんで、性感染症の面、避妊の面、何の防御もしていないわけで、楽しければいい、気持ちよければいい、面白ければいい、そういうもので作られているので、まねをしちゃ困る。だけれども、まねをした子はほとんどが、まねをしようと思った子も含めると、六六%の男子はそうだし、女性の場合も三〇%の子供たちはそれをまねをしているわけですね。
 実際、そういうアダルトビデオは絶対に十八歳未満でに関する知識とか基礎的な生殖に関する知識が備わっていないと、私は見ちゃいけないと思いますけれども、現実には中学三年生ではもう五八%が見ている、高校三年になると八一%が見ている、こういうのが実は現実ですね。
 一方、出会い系の携帯。この出会い系の携帯は、子供たちがこれはほとんどが被害に遭うんですけれども、その被害に遭うということ、被害に遭っている現実もいろんなところで報道されている以上のものがあるんですが、やはり携帯を出会い系で使うと、やはり中学の女性の場合と男性の場合を比較しても、もう全然非行と一般が、中学女性の一般と非行はこれだけ違う。携帯の出会い系を使うと非常ないろんな被害によく遭っている。携帯が、正に使い方を教えていないために、そういう被害に遭っている。
 一方、新聞の報道によると、こういう九割の女性がその出会い系の方に自ら、女性からお金が欲しいからアクセスしている。今やこういう援交という問題は、九割は女性の子供の方から。何でお金がそんなに要るの、これはもう見掛けの世界、社会です。見掛けが良ければいい、プチ整形がしたい、メークもしたい、お洋服も買いたい、ジュニアブランドはめちゃくちゃ高いです。お金が要ります。どうしてもお金が欲しくなって自ら、子供たちの方から出掛けます。
 しかし、その左を見てもらうと分かるように、出会い系サイトはもう皆さん被害に遭っています。被害に遭っていることを、被害に遭った子も言いません。学校の先生も言いません。正に今は、男の子はもう女の子をセックスの道具にしています。やれればいい、女子高生の二十人に一人レイプされている、これは朝日新聞に出ました。だけれども、こんなもんじゃないです。本当は、我々の街角相談室に来る五人の子供たちの三人は、つまり六割、三人はレイプされています。そういうことで、こんなレイプの実態はもっとひどいものです。集団でもこういうレイプになります。
 一方、そのエイズの問題ですが、エイズの問題で私がやっぱりこう不思議に思うのは、エイズの検査体制が悪いと。我々病院でも、待っていると、千人の中でも、子供たちは、十代の子供たちは十三人しか来ない。それはお金がないのもありますけれども、まあ敷居が高いということもありますけれども、現在のHIVの全国の統計を見ましても、十代が少ない十代は少ない、圧倒的に少ない
 二十代と三十代が比較的HIVの感染者が多い。それはそうですね。これ、見てもらえば分かるように、二十代の検査を受けている人が、検査を受けに来た人が六六%、ほとんど要するにエイズの検査を受けに来るというのは二十代が多いわけですね。二十代と三十代が多いわけです。だから、二十代と三十代にHIVの感染者が多いというのは当たり前で、十代が受けていないだけで、私に言わせれば、十代をもっと調べればもっといるんじゃないか、そういう怖さを感じるわけです。
 HIVについては、この意識の問題が僕はちょっと非常に気になるんですが、もしあなたがHIVに感染したら両親に言いますか。両親、一番大事な守ってくれる人ですけれども、両親には九五%言いません。これはうちで調べた結果ですけれども、兄弟にもほとんど言いません。今付き合っているパートナーにも三七%も言いません。何で今付き合っているそのパートナー、一対一のパートナーにHIVにかかったことが言えないの、それは多分、元彼からうつったと思うから言えない、前の彼からうつったと思うから言えない。それじゃ元の彼、前のパートナーに言いますか、これも一〇〇%近く言いません。ですから、もう別れたら言わなくてもいいと、そういうことでだれも言いません。こういう意識でいる限り、日本のHIVは非常に爆発します。そういうふうな怖さがあります。
 で、そこのお手元にあるようなこういうことに今なってきているんで、私については、これについて深刻に受け止めていただきたいというようなところで、取りあえずは失礼をいたします。
 ありがとうございました。

2015年6月28日日曜日

思考停止

戦後の国会で初めて「思考停止」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/040/0320/04012150320002a.html

第040回国会 地方行政委員会 第2号
昭和三十六年十二月十五日(金曜日)
午前十時二十八分開議

議題は、「警察に関する件」


○園田委員長 これより会議を開きます。
 警察に関する件について調査を進めます。この際柏村警察庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。柏村長官。

○柏村説明員 一部の右翼、旧軍人などによる不穏計画について御報告申し上げます。
 警視庁におきましては、かねてから一部右翼旧軍人らの少数グループが、政府要人などに対して不穏な計画を企てている事実を探知し、内偵捜査を進めておったのでありますが、本月十二日早朝、千葉、福岡、長崎、埼玉、佐賀各県警察の協力のもとに、この計画の中心人物と見られまする元川南工業社長川南豊作国史会主宰者陸士六十期生小池一臣日本学生改新会会長元菊旗同志会中央委員篠田英悟のほか、元陸軍少将桜井徳太郎五・一五事件関係者三上卓十二名を殺人予備罪の容疑で、また三無塾塾長川下佳節鉄砲刀剣類等所持取締法違反の現行犯で、それぞれ逮捕いたしまするとともに、関係個所三十二カ所を捜索し、ヘルメット三百八十八個防毒マスク百個作業衣九十九着戦闘帽九十九個日本刀八振りライフル銃二丁、その他の証拠品を差し押えたのであります。同人らの身柄は、一件書類とともに十四日東京地方検察庁に送り、引き続き警視庁、東京地検において取り調べ中であります。
 同人らの不穏計画の動機、目的、犯罪事実の詳細につきましては、今後の取り調べ、捜査により、漸次明らかにされることと思いまするが、ただいままでの捜査の結果によりますると、同人らはわが国の現状に不満を持ち、現状打開のためには政府要人などを殺害する等の非常手段もやむなしと考え、幾たびか謀議を重ね、武器入手などの準備をしていたという疑いがきわめて濃厚なのであります。
 浅沼事件嶋中事件以後、警察におきましては、右翼テロその他の直接行動の未然防止に最大の努力を払って参ったのでありますが、本年当初以来、一部右翼の言動の中には、緊迫した国際情勢、また軍事基地闘争や政防法闘争などの現状から、共産革命への危機感を深めますとともに、一方これに対する政府の施策にあきたりないものがあるとして批判的傾向を強め、さらに五月韓国に発生いたしましたクーデターに拍手を送るような向きもございましたので、このような情勢の中で、一部右翼のはね上がり的な危険な動きに特に注意をいたしていたのであります。
 ところがたまたま本年九月初めごろ、一、二の県警察から、某歴史研究グループによる不穏計画についての情報がございましたので、この情報をもとにして鋭意捜査を進めました結果、さきに申し述べましたように、一部右翼、旧軍人らが政府要人などに危害を加える目的で謀議を重ね、武器の収集などの準備をしている疑いが濃くなりましたので、事を未然に防止するため、このたび早期に検挙を実施いたしたのであります。
 現在までの取り調べの結果では、今回の事件は、一部のはね上がった右翼分子と終戦当時陸士在学中のきわめて一部の者によって計画されたものでありまして、既存の右翼団体や陸士五十九期、六十期生の間に幅広い連絡があるという事実は認められないのであります。
 以上、今回の事件の概要を申し上げましたが、警察といたしましては、今後も一般国民の御協力のもとに、この種危険な政治的暴力の排除に最善の努力を払って参りたいと考えておる次第でございます。

○園田委員長 これより質疑を行ないます。通告がありますので順次これを許します。宇野宗佑君。

○宇野委員 またしても非常に不愉快な事件が起こりまして、われわれはこれを遺憾とするものでございます。しかし今回の事件を、いろいろと今日まで報道されておった面を考えてみますと、嶋中事件あるいは浅沼事件のごとき、右翼とは申しながらも未成年者がやったということではなくして、一応成年でもあり、また妻子もあり、またそれ相応の経歴も持っていらっしゃるという、いうならば良識ある社会人とさえも思われていた人がこの中に含まれて、不穏な計画をたくらんでおったということは、われわれといたしましても黙視するわけには参りません。また、一部の論評等を伺いますと、こうした事件は今後あるいはあとを断たないかもしれない、右翼のこのような事件は、その奥底に英雄気取りがあるのだから、そうしたことを国会で大きく取り上げたり、あるいはマス・コミがこれを大きく取り上げるということは、かえってまたまた連鎖反応を起こすのではないか、従って、それに対するこれという対応措置がないのならば、黙殺するに限るというような意見もあるようでありますが、しかし、一応あのようにして未然に防がれたとは申しながらも、事件の内容が非常に不穏当であるということに関しましては、われわれといたしましても、この際国民の皆さん方にさらに一そうこの事件に対して注目もしていただき、またいろいろと論評もしていただき、あるいはまたお互いに反省もし、また決して心配することはないのだというようなお言葉をちょうだいせんがためにも、二、三の点について御当局の御所見を伺っておきたいと思うものでございます。
 そこでまず、今回のこの事件は、一応ただいままではクーデターというふうな名称をもって論ぜられて参ったのでございますが、もちろん、昨日の国家公安委員長の国会に対する御報告並びに本委員会に対するただいまの柏村長官の御報告によりましても、不穏行動というふうな非常にデリケートな言葉を使っていらっしゃいます。また警察当局の一部におきましても、クーデターではなくして、これは集団テロだと見るべきであるというふうな御意見もあるやに拝せられまするが、一応この際クーデターか、もしくは集団テロと断ずべきか、どちらであろうか、その概念について一応お答えを賜われば幸甚だと存じます。

○柏村説明員 お尋ねの、今回の事件がクーデターを企図したものであるか、単なる集団テロであるかというお尋ねのようでございますが、クーデターというのは、政権変革と申しますか、政府転覆というか、そういうものであろうと思います。今回の事件を目下捜査中でございますので、確たることは申し上げかねますが、クーデターを企図した疑いもかなり濃厚なのでございます。ただし、当初の逮捕に踏み切った際におきまして、そこまでの疎明をするということでなしに、とりあえず殺人予備、いわゆる集団によって多数の人を殺傷するという企図は確かにあったという判断のもとに、少なくとも集団テロの内容は持っておる、しかし、今後の取り調べによりまして、これがクーデターを企図したものであるという確証を得るに至りますれば、そういう取り扱いをやって参るようになるのではないかと思います。

○宇野委員 われわれも、今までのいろいろな情報より察知いたしまするに、一応クーデターに近いような計画がなされておったと判定すべきであろうと思うのであります。特に元軍人によって、しかもその中には、かつて五・一五事件であるとか、そのほかのいわゆる軍人クーデターに参画された人が入っておられるということから推すならば、なおさらその疑いを濃くするものであります。しかしながら、たとえば、こうした事件が元軍人だというので、非常に国民に不安を与えたことも事実ではございましょうが、元軍人と申し上げれば、われわれも元軍人であります。おそらく太平洋戦争までの成年男子であるならば、ほとんどの日本人が元軍人であったと私たちは思う。従いまして、これらの元軍人の一部の過激分子の行動であったにいたしましても、新聞報道等を通じますると、全国には約四千の軍人グループがある。しかも、その中で暴走しかねない、いわゆる危険分子、危険的な団体だとみなされるものが数十団体あるというようなことが報道されておりまするが、そういうことになっておりますると、中には、非常に思想堅実にして穏健なる軍人グループもあるわけでございまするが、それらの方々も今回の事件に関しましては、大いに迷惑しておられるのではないかと思います。そこで今回の十三名を別にいたしまして、新聞で一部報道せられましたがごとくに、軍人グループの中には独走する、暴走するおそれのある危険団体が数十団体あるとはっきり明示されました以上は、警察当局のお手元におきましても、それらの御資料があろうかと存ぜられますが、はたして数十団体あるのかないのか、この際はっきりと御答弁を承っておきたいと存じます。

・・・

○猪俣委員 これはカービン銃だのライフルなんというものは、そう簡単にある道理がないんだから、そして軍事基地の連中も日本にそういうクーデターを起こさせるためにやるなんということは考えられませんけれども、やはり何かの形でピストルだのこういう武器が渡されるのではなかろうか。これがこの軍事基地のあるところに相当盛んだという統計まで私どもに入っているわけです。それに対してやはり警察庁は特別なお調べが必要かと思うのです。また、そういうことから先の企てがわかるかもしれないから、要望しておきます。
 なお、先ほど申しましたように、これは国史会とか三無塾とかいうものの名前が出ておるのですが、これこそ自衛隊の一幹部の話のように思考停止されたようなこういうグループが他にもたくさんあるのではなかろうか。それに対して一体警察庁は十分調査ができているのだろうかという心配が、実はあるわけです。そこで、その他にもこういうふうな反動団体みたいなものが、警察庁の調べにどの程度あがっておるのかということを御報告いただきたいと思うのです。


○三輪説明員 一般的に申しまして、いわゆる行動右翼というものについて注意をいたしておりますことは、ことしの初め以来再々御報告をいたしておるところでございます。特に最近青年隊あるいは塾等をもちまして若い者を集めておるというものが二十幾つかございますので、その考え方なり訓練なりは全く千差万別でございますけれども、特に行動的な右翼的な思想的なものを持ったものに属しますそういったものについては、特に注意をいたしておるところでございます。

・・・

「ノーベル経済学賞」は、ノーベル賞ではない。

正式名は、「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」。
賞金の出所も、「スウェーデン国立銀行」。


いろんな団体(全国偽装ラブホテルをなくす会 )

全国偽装ラブホテルをなくす会 

http://nomoregisou.net/index.html

Frank Mooreを知っていますか?


興味がある人は以下のページを見て下さい。








Frank Moore 1946-2013 from Frank Moore on Vimeo.




Erotic Play from Frank Moore on Vimeo.




Frank Moore Musical Dance Jam Celebration, November 2, 2013 from Frank Moore on Vimeo.



Reality Shaping History of a Performance Artist in Dirty Pictures II from Frank Moore on Vimeo.

いろんな団体 (特定非営利活動法人ノアール)

特定非営利活動法人ノアール

http://www.npo-noir.com/


「身体障害者のセクシャリティに関する支援をしています」

娼婦

戦後の国会で初めて「娼婦」という言葉の発言があったのは、

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/002/1340/00206251340047a.html

第002回国会 司法委員会 第47号
昭和二十三年六月二十五日(金曜日)
午前十時二十六分開会

議題は、多く
「青年補導法案(鬼丸義齊君業議)」
「判事補の職権の特例等に関する法律案(内閣送付)」
「裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案(内閣送付)」
「日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣送付)」
「民事訴訟用印紙法及び商事非訟事件印紙法の一部を改正する法律案(内閣送付)」
「少年法を改正する法律案(内閣送付)」
「少年院法案(内閣送付)」
「賣春等処罰法案(内閣送付)」
「民事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣送付、衆議院送付)」



・・・



○理事(鈴木安孝君) この法案の質疑は後にいたしまして、次に賣春等処罰法案の提案理由の説明をお願いいたします。

○政府委員(國宗榮君) 只今上程になりました賣春等処罰法案の提案理由を御説明申上げます。
 戰後におきます社会不安、道義の頽廃等の影響を受けまして、いわゆる賣春行爲が著しく増加して参つたことは、すでに御承知の通りと存じます。この種行爲は、健全な性道徳を破壊し、善良な風俗を紊乱するばかりでなく、恐るべき性病を蔓延せしめる基となるものでありますから、いわば反文明的行爲として、その絶滅を期さなければならないと考えるものであります。のみならず一九四六年一月二十一日附連合國最高司令官の日本における公娼廃止に関する覚書によりまして、表面上は一應公娼その他契約に束縛される私娼の制度は廃止を見たのでありますが、事実においては依然形を変えて娼家及びこれに隷属する私娼と認められるものが、尚跡を絶つに至らない実情にあるのであります。かかる存在は、一面、身体及び意思の自由の拘束されて、日夜醜業に從事するのを余儀なくされる女性があり、他面かかる白色奴所ともいうべき女性に寄生し、その肉体的苦業によつて利を図る業者があることを意味するに外ならないのでありまして、これは啻に右の覚え書の趣旨に背反するばかりでなく、新憲法が基本的人権を確立し、個人の自由と尊嚴とを宣言し、その奴隷的拘束を排除しておる趣旨に全く相反するものであります。我が國は民主主義國家として、鋭意その再建に努力を拂いつつありまするとき、他面において未だかかり封建的な暗黒面の存在を許すことは、根本的に矛盾するばかりでなく、民主主義的先進國と肩を並べて國際場裡に地位を復活しようとする失先におきまして、大いなる障碍となるものと申さなければなりません。而してその対策といたしましては、もとより國民一般の民主主義的自覚と、道徳的及び衛生的観念の向上に待たなければならない点も多々あるのでありまするが、同時に賣春行爲及びこれを助長し、慫慂し、又はこれに寄生する諸行爲を処罰すべき法令を整備強化することによつて、法的措置を確立する必要も痛感される次第であります。從來の立法措置といたしましては、警察犯処罰令、昭和二十二年勅令第九号婦女に賣淫をさせた者等の処罰に関する勅令、花柳病予防法、同特例、刑法及び兒童福祉法等の諸法令が存在し又は存在したのでありまするが、これらのものは、未だ十分その法的措置を講じ得たとは申し難く、殊に賣春、その周旋及びその場所の提供等を処罰する警察犯処罰令は、本年五月二日廃止せられ、又花柳病予防法等も全面的に改正される運びとなつておりまするので、この際新たな見地に立つて、警察犯処罰令の関係規定及び婦女に賣淫をさせた者等の処罰に関する勅令を統合且つ整備し、その罰則も他の関係法令と権衡を保ちつつ、必要に應じて強化することとして、この法律の立案を行なつた次第であります。
 以下規定の要点につきまして説明いたしますと、第一に賣春及び賣春の場所の提供その他賣春の周旋をした者に対する刑の引上であります、これらの拘置に止つておつたのでありまするが、かかる軽微な刑を以てしては、殆んど取締の実効を見ることが至難であつた実情を鑑みまして、その刑を六月以下の懲役若しくは五千円以下の罰金又は拘置若しくは科料とし、且つその常習者に対しては、更に加重して、二年以下の懲役又は一万円以下の罰金を以て臨むことといたしたいのであります。
 第二に、賣春の相手方となつた者も、賣春者と同樣に処罰することといたしたのであります。從來のように、賣春者のみを罰し、その相手方を処罰しない建前は、公平の観念に反するばかりでなく、予防的効果も薄弱となりますので、特にかかる規定を設けることといたしたのであります。
 第三に、人を欺き又は人を困惑させて賣春をさせた者及び親族、業務、雇傭その他の特殊関係を利用して賣春をさせた者につきまして、それぞれ罰則を設け、前者は二年以下の懲役又は一万円以下の罰金、後者は三年以下の懲役又は二万円以下の罰金に処することとし、且つ後者の関係を利用して賣春の報酬の全部又は一部を收受したときは更に加重しまして、五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処することといたしたのであります。これは若し脅迫又は暴行により賣春をさせた場合には、刑法の強要罪に当るのでありますが、か弱き女性をしてかかる醜行に陷らしめないように、これを保護するためには、それ以外の不法な手段を用いて賣春をさせた者に対しましても処罰規定を設けることが必要と思われますので、右のごとく予想せられる各種の不法手段の態樣と、これに應じ適当の罰則を規定することとし、就中右の特殊関係を利用して賣春の報酬を收受する行爲は最も悪質と認めて、特に重刑を以て臨むことといたしたのであります。尚、現存の婦女に賣淫をさせた者等の処罰に関する勅令におきましても、婦女を困惑させて賣淫をさせる行爲に対し罰則が設けられていることを申添えておきます。
 第四に、他人を娼婦とすることを直接又は間接の内容とする契約の申込、又は承諾をした者、及び娼家を経営し若しくは管理した者につきまして、それぞれ処罰規定を設け、前者は三年以下の懲役又は二万円以下の罰金、後者は五年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処することとしたのであります。ここに言う娼婦及び娼家の定義につきましては、第一條に定められているところでありますが、かくのごとく他人を娼婦としようとする行爲及び娼家を経営又は管理する行爲は、前述の通り新憲法の精神及び連合國最高司令官の覚書の趣旨に反するものであり、特に峻嚴なる態度を以て臨む必要があると考えまして、かかる重刑を規定したのであります。
 尚以上の罰則には、原則として情状により懲役及び罰金を併料し得ることとしまして、実情に即した科刑を行い得るよう措置いたしたのであります。
 以上立法の趣旨及び規定の要点を説明いたしたのでありますが、どうか愼重御審議の上速かに可決せられんことを希望いたす次第であります。

○理事(鈴木安孝君) それではこの法案に対する御質問がありましたら、伺います。

○來馬琢道君 私は曾て未成年禁酒禁煙の法律についていろいろ研究いたしたことがあります。当時法律を作ることはいいけれども、これを取締ることが困難で、日本の國法律がありながらそれが國民によつて守れられないということは甚だ遺憾であるというので、大分反対した人もありました。軍隊に入りましたいわゆる兵隊さんをどうか清く生活さして、成長さしたい。大学程度の学生も純潔を守らしたいという考えで、只今も國会に提案されております青少年禁酒法案なるものについても、相当工夫いたしておるものでありますが、これに対しましてはますます法律を作つてもこれを守らせることが困難であるという非難が諸方に起つております。この法案を通過させることが種々なる障害があるということを承つております。この賣春等処罰法案は実によい法律でありまして、今更このような法律を我が國が作らなければならないということになりましたことは、常に我々が道義の國日本とか一等國民とか言つております体面から、むしろ慚愧に堪えないような感があるのでありますが、この法案のことを新聞紙上等で見た人が直ちに私共に向つて申しましたことは、このようにして既に堕落した婦女を、これはいたし方がないものとして、社会の暗い方面に置いておけば、暗い方面の男子も亦これによつてやや満足することができる。すべての婦女に対してこのような法律を以て臨むならば、我が國の良家の子女が或ひは凌辱を受ける機会が多くなるのではないか。それから尚一つは、隠れたる賣淫行爲が行われて、娼家というもので今まで行われておつたことを各家庭において行うというような、実に予想すべからざる弊害を伴うものではないかというようなことを申しております。この点に私共も甚だ残念ながら心配しているところでありますが、この法案は單に司法委員という立場からのみ考えてよいものでありますか。社会政策という方面からも考慮すべきものではないか。只今提案の理由を聽いてその理論に満腔の賛意を表すると同時に、先程申しました少年禁酒法、少年禁煙法に類するような法律があつて、これを行われないという事象が至るところに起りましては、我々は却つて國民の不幸を増すものではないかと憂うるものであります。曾て衆議院を通過した貸座敷を取締る法律案が世の中に現れたことがありまして、これには矯風的事業に從事しておる者は、唖然として、かような法律を衆議院が提出するということは國辱という議論もいたしたことでありまして、私共もそういう法律を制定することに対しては反対でありますが、只今私の述べました点について提案の準備の間において、相当の御研究があつたのかどうか、その点を一應承知いたしておきたいと思います。

○政府委員(國宗榮君) お答えいたします。只今御質問になりましたことは非常に重大なことでありまして、実はこの法案を立案いたし、提案いたします際におきまして、さような点について政府といたしましては十分に愼重考慮をいたしました次第であります。いろいろ法規が出ましても、その法律が励行されなくて、單なる法規だけに終るということであつては相済まないのでありまして、本法も全くこの法規の励行ができなければ全然かような法規を出しましても意味がないということもいたし方ないのでありまするが、少くも前には警察犯処罰令におきまして賣淫行爲を処罰しておりました。これは相当に警察犯処罰令は行われておつたと思うのであります。併しながら賣淫行爲自体を絶滅いたすことは不可能でありまして、本法におきましても賣淫行爲を絶対に絶滅させるということは事実上の問題でありまするけれども、全然なくするということは私共実際申しまして自信はないのでございます。ただ只今非常に御心配になりましたところの、かような嚴格なる賣春等に関しまするところの法律案を出しますると、良家の子女を凌辱するような行爲が多く起るのではないか、或いは又普通の家におきましての賣淫行爲が多く行われるのではないかという点でございますが、私は提案理由で御説明申上げましたように、やはり國といたしまして、又民族といたしまして、人類といたしましての一つの理想というものがございまして、この理想をやはり國家といたしましては明らかにいたしておくことが必要であろうと思うのであります。この理想に向つて、これは法律ばかりでなく、この法に從う者、或いは法律を施行する者、すべてが協一致してこの態勢に向つて行く、日本の國といたしましては、この法律が出來たために良家の子女を凌辱するその行爲が非常に多くなるということは、かようなことは実は私は少くとも考えていないのであります。この点につきましてはいろいろ議論はありまするけれども、私共の檢討いたしました限りにおきましてはさような点についての心配は余りない、ただ併し或る一定の場所に集つての賣淫の形態というものがこの法律によつて許されませんので、或いは一般の散らばつた普通の家におきまして賣淫行爲が多く行われるのではないか、こういう御懸念に対しましては、この点につきましては、これは賣淫と賣春の行爲は実は隠微の間に行うものでありまして、これにつきましては十分に取締をしない以上、これが或る程度に、数を以て挙げることはできませんけれども、現状より殖える虞れがあるかないかという点につきましては、ないとも申上げられませんし、あるとも私ははつきり申上げることができないと考えておるのであります。併しながら私といたしましては、この法律案の理想といることは、これは極力國民を挙げまして私共一体となつて実現して行こうという方向に向けて行く必要上、この法律を出す必要があると考えて提出いたした次第であります。

○中村正雄君 只今來馬委員から質問された点とほぼ以ておるわけなんですが、本法が通過しましたら、いわゆる賣春行爲自体は全部あらゆる方面に亙つて禁止せられておるわけなんですが、ただ問題は、この法律が通過した場合に、この法の趣旨に從つて徹底的に取締れるかどうかという問題が最も大きな問題であろうと思います。でなければ、若しも本法が通過して賣春行爲が全部禁止されたにも拘わらず、これの徹底が期せられなければ、いわゆる法の権威自体を失墜さすということになるからでありますが、ただ実際問題について御質問いたしますと、現在いわゆる営業の公認されておる娼家が東京都内にも相当あり、これが全部駄目になるわけでありますが、若しもこれが八月一日から実施された場合に、賣淫行爲自体を絶滅させることは、これは人類の歴史からいつても不可能だろうと思いますが、表に現われておるこれ自体でも、どういう計画によつて直ちにこれを排除するかという点について、何か具体的な考えがありましたらお聽きしたい。

○政府委員(國宗榮君) その点については非常にむずかしい問題がありますが、これは実はその方を主管しております厚生省、警察関係、この方面と、この法案の立案当時からいろいろの協議をしておるのであります。いずれその具体的な案につきましては詳細御説明申上げる機会があると思いますが、今のところ、はつきり申上げるものを持つておりません。

○中村正雄君 只今の政府委員の御説明で了解いたしますが、できれば本法が審議を終るまでに、やはり実施の計画を立てて頂いて、本委員会で御説明願いたいということを希望いたしておきます。

○政府委員(國宗榮君) 承知いたしました。

○前之園喜一郎君 この法律案に対して各方面から相当に根強い反対運動が行われておるように聽いておるのでありますが、政府に対してもそういう反対運動がありますならば、反対しておるところの理由並びにその反対理由に対する政府の御見解を承わつておきたいのであります。
 それから第一條に「不特定の相手方」とあります。この不特定というのが非常に漠然としております。例えば一定の人、住所氏名も分つておる人を相手にする場合、或いはグループだけを相手にする賣春行爲というような場合にはどうなるのでありますか、もう少しこの不特定という意義をはつきりさせておく必要があるのではないかと考ております。その点の御説明を願いたいと思います。
 次は第二條の第二項と第三條の関係でありますが、第二條の第二項によりますと、常習として賣春をする者だけが主に処罰されるようになつておりますが、第三條は、賣春の相手方となつた者は、第一項の例によるいわゆる相手方となつた者が常習的にやる場合には、これを放任するというように見えております。大体賣る者があるから買うのか買う者があるから賣るのかということは甚だむずかしいことでありましようが、私共は刑法の姦通罪などに対しても常に男の貞操を縛れということを多年論じて來た。單に賣春をする者の常習だけを嚴罰に処しても相手方を寛大な処分にするということは、これは法の建前からいつてもどうか、又効果の上からいつても相当に考えるべきことではないかと思うのでありますが、この点について御説明を願いたいと思います。次は第四條であります。この四條に「困惑させ」とありますが、これも非常に明瞭を欠くのでありますが、この御説明並びに暴行、脅迫等による場合はお考えになつていないのか、そういう場合はどうなるのか、もつと大きな問題はこの婦女の、いわゆる娼婦といいますか、これを抱えるのはどういう制度になつておるか分らないが、実際においては、やはり経営しておる者が、前借等を出して抱えておるのが相当にあるのじやないかということを私は考えるのであります。つまりその仲介をした者、いわゆる桂庵とか、仲介業とかいうものに対する制裁規定はないようでありますが、これは非常に大事なことだと思います。むしろ根本的のものだと思いますが、これをお取上げにならなかつた点についてお伺いいたしたいと思います。

○政府委員(國宗榮君) 本法案につきまして、いろいろの反対があるということを耳にいたしておりますが、私共直接この反対の陳情を受けましたのは、九州方面から一回受けたのであります。その主要なる理由は、本法案の趣旨には反対ではない。併しこの賣春行為というものは、どうしても止められない人間の要求である。從つてこれをどういうふうに一番弊害が少く許容し得るかということを考えて見たらどうか。やはり今日のような集娼制度にしておいて、そうしてそれを國家的に統制して行くことが一番よいじやないか。その意味において、この法案は逆行するものである。こういう点の反対陳情を受けたのでありますが、これも一應の議論でありまして、古くから私娼制度公娼制度の論爭の中心になつておるのでありまして、議論としては相当もう出盡したものと思つております。ただ如何なる立場に立つてこの法律を出すかという問題でありまして、本法案は先程申上げましたように、全く人類の理想、民主主義國家におきますところの理想という観点から立つておるのでありまして、從いまして反対の理由といたしまする実利的な問題につきまして、この間においては、どうも融合する点がない、こういうふうに考えまして、その説明だけを申上げて置いたような次第であります。併しそういう理由につきましては、十分私共の方もこの方面の行政を担当しております厚生省、その他と十分な協議を逐げるつもりでおります。その他の点につきましては、まだ直接には聞いておりませんが、或いはこの行政を担当しております主管省に対しましては相當行つておるかと思います。それは後程連絡いたしまして十分御話いたしたいと思います。
 それから第一條につきましては「不特定」というのは、五、六人の者を相手にするのはどうかという御質問でありましたが、この場合、私共は、やはり不特定と解しております。例を挙げて申しますれば、例えば妾を置くという場合は、社会上不道徳でありますけれども、これは特定しておりますので、賣淫に入らないというように解釈しております。
 それから第二條の二項の「常習として賣春をしたものは」とありますが、これは主として女を主体と考えております。婦女が賣淫を常習として場合に刑を加重して行くのであります。
 第三條の「相手方となつた者」というのは、これは男子を大体予想いたしております。この場合に男子が常習として淫賣を買うというのと同樣に見たらどうかという御議論でありましたが、そこまで相手方の男を罰する、そこまで行く必要はなかろうというふうに考えましたのであります。第二條の第一項と同じでいいということにいたしたのであります。
 それから第四條の「困惑」でありますが、これは暴行、脅迫の程度に至らないで相手方を困惑させるのをいうのでありまして、暴行、脅迫の程度になつてくると強姦の刑法の罪に触れることと考えております。
 それから、いわゆる娼婦を斡旋するようなものでありますが、これに対する取締規定がないというような御指摘でございましたが、第六條の賣春の周旋をする場合がその一つに当ると思います。それから更に第七條の他人を娼婦とすることを直接又は間接の内容とする契約の申込み又は承諾、この場合におきまして、その間接の内容とは、契約におきまして、娼婦を周旋するものが、契約の当事者になる場合が考えられるのであります。この両條によりまして、この取締ができ得ると考えております。

○前之園喜一郎君 第一條の「不特定の相手方」という点について重ねて御質問いたしますが、只今妾のごときものはこれに入らないというお話でありましたが、も、一人を相手にしておる者もあるし、中には数人、日を決めてやるというようなのもあるというようなことを我々聞いております。こういうようなものは結局月決めであるとか、一回幾らとかいう報酬を取つてやつておるということを私はしばしば聞くのでありますが、そういうものは別にいたしましても、やはり妾のごときものは、日本の道徳に反する最も悪いものである。我々の家庭を破壊し、道義を紊すもので、徹底的に取締る必要があるのじやないか、こういうふうに解釈してやることがよいのじやないかと私は思うのであります。二、三人のになつておるという場合は、やはり一人の者のになつておると同様にお考えになるかどうか。又今私が申上げたように、この賣春というものをそこまで拡げて考えることが妥当であるというお氣持になれないか。

○政府委員(國宗榮君) それは或いは三人、四人を相手にいたします。そうしてといつておるのでありますが、その場合におきましては、これは第一條の「不特定の相手方」と性交する、こういう概念に入ると思います。從つてそういう場合において、やはり賣春行爲である。こういうふうに考えなければならんと思つております。ただ一人だけを囲いまして、そうしてただ一人の男子と大体夫婦関係同様の関係を結んでおるという点につきましては、道徳上面白くないのでありますけれども、賣春法の法律の一つの目的は、婦女の奴隷的な面と、もう一つは衛生的な面、こういうふうな点におきまして、多少一人だけのを囲つておるというのは、この法律の対象にするのには廣すぎるのではないかと、かように考えまして、その点賣春にはならないと考えております。


・・・

性殖器

戦後の国会で初めて「性殖器」という言葉の発言があったのは、


http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/005/0790/00504120790006a.html


第005回国会 厚生委員会 第6号
昭和二十四年四月十二日(火曜日)

午前十時三十四分開会

議題は 「人口対策及び産兒調節に関する調査の件」


・・・


○小杉イ子君 私三つお伺いしたいことがございます。睾丸炎を患つた人、子宮内膜炎疾患中の人は確かに妊娠しませんか、しますかということ。それから二は、殊に切賣りで頻繁に接容しておつた昔の例えば娼妓でございます。これらが比較的受胎しませんが、それから廃めてからも余りしておりませんが、こういう理由はどういう理由でございましようか。それから第三番目には品行の良い人が惡い人より子供が沢山できるようでございますが、これはどういうわけがあるのでございましようか。どうでございましようか。それから私はどう考えても、どの藥品も、どの器具も確信できません。むしろ否定いたしたいのでございます。それからこれを試驗するとか、紹介するとか、確かなことをおつしやいますけれども、それができるかどうか。例えばモルモットとか、兎にでも試驗する場合はよろしうございますけれども、一人の犠牲者を立てて試驗して見たところで、一人では分りません。こういうことはお考えになつておりますかどうか。それから專門家によりますと、何でも水田ばかりによらないで畑を拡張すると人口は養い得る、こういうことでございます。それから愛兒園でございます。これは外交問題になるかも知れませんが、私から申しますと、全くこれが危險を感ずる。これが日本人となるのかということを思うときに非常に痛感するところの子供を生む者がございます。これには強制的に何かの方法をお考えになつておつたでしようか。それからもう一つ藥のことを申上げますが、これが食慾ということでございましたならば、十二時に食べる、五時にしようということがございすけれども、これだけは絶対絶命励行できないことである。それに対して例えば婦人に酸性の藥を腔内に長く用意さして待たして置くことがございますが、身体にさわらないものでございましようか。それから経費の点を考えなければなりません。それからこれが腔内の挿入してその藥品が子宮内に入つて行き、卵と精虫と合体するところまで來るかどうか。例えば寢ていれば子宮に上がるかも知れないが、これは上に上らない。大抵は立つておりますから、それが下に流れて上に上らん、こういうことを考えておりますが、その辺はどうでございましようか。

○説明員(葛西嘉資君) 專門的なお話は丁度三木局長がおりますから、三木さんの方からお答え申上げることにいたしまして、今の藥と器具は絶対大丈夫かどうかというお話でございますが、これは実驗と申しますか、適当なよいものができますれば、一〇〇%効果を挙げておるというように聽いております。さつき藥務局長からお話がありましたように、今そういうふうないい器具というものについて実は愼重にやつております。それから谷口委員から御指摘になりましたように、一遍規格を決めて賣出しましても、惡いものが出たりなんかするというようなことはこれは困りますので、そういうふうな監督というような点については十分やつて参るつもりでございます。それから第二のお尋ねでありました將來日本人になるだろうかというようなあいの子なんかの生れることについてのいろいろな措置でございますが、これも只今のところでは御承知のように厚生上どうこうというふうなこともありませんし、今のところどうするというふうな確乎たる実は案は持合せておらんわけであります。

○政府委員(三木行治君) 睾丸炎、子宮内膜炎の者には妊娠せんかどうかというお尋ねでありますが、これはこういう性病の場合におきまして、その程度によると存じますが、非常に軽微な者を除きましては受胎しない、妊娠しないということが普通である、医学常識では考えられるものであります。尚そういう政府の統計等も完全なものはございません次第でございます。それから娼婦受胎せんのは何故かという御質問でありますが、娼婦の中でも必ず受胎しないというわけではないのでございまして、受胎する場合もあることは御存じの通りであります。ただその率が一般の者に比べて低いことは間違いのないところだと思います。その原因はやはり性病等に罹患をするという危險が非常に多いということもその原因になつておると考えられるのでありますし、又性病に罹患いたしておりませんでも、性病予防藥を使用いたしますから、その予防薬は必然的に精虫に対しても殺減的に働いておりますので、受胎の機会が非常に少い、かように考えております。それから品行のよい人が子沢山であるのは何故かというお尋ねでございますが、品行のよしあしということに基く統計も別にございませんが、性病に罹つておる者は子供が少いという統計から、御意見のような結論が出ると思つておりますが、私共といたしましては、やはり性病等に罹患いたしますために、性殖器の障害が起きておる場合が多いからその方が少い。從つて品行のいい者は多いというようなことになるのではないかと思つております。

○山下義信君 そこのいろいろ御説明下さつた避妊器具とか、避妊藥という問題ですが、それは品物によりましていろいろ差異がございましようが、大体器具でどのくらいの價格でございましようか、又藥品類のようなものでどのくらいの價格のものでございましようか、只今販賣許可をしておいでになりまする種類のもの……。

○政府委員(慶松一郎君) それは誠に申訳ございませんが、私只今失念いたしておりまするので、後程調べまして……。

○山下義信君 凡そ大体分りませんか。

○政府委員(慶松一郎君) 大体三百円くらいだと思いますが、ペツサリーが……ちよつとはつきりしたところ覚えておりません。

○山下義信君 ではそれは詳しいところは次回に何か表見たいなものでお知らせ願いたいと思います。それでその避妊藥避妊器具というものを販賣いたしますのは、つまり藥店でございますれば、どこでも販賣できるのでございましようか、どういうふうになつておるのでしよう。

・・・

コンドーム

戦後の国会で初めて「コンドーム」という言葉の発言があったのは、


http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/005/0790/00504120790006a.html


第005回国会 厚生委員会 第6号
昭和二十四年四月十二日(火曜日)

午前十時三十四分開会

議題は 「人口対策及び産兒調節に関する調査の件」



○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。
 本日は、前回政府より説明を聽きましたことに関連して、その他いろいろ配付せられました資料等につきまして質疑を行いたいと思います。問題は、人口対策及び産兒調節に関する調査の件であります。

と始まって


○谷口弥三郎君 第三に先ずお伺いして置きたいと思いますことは、一昨年でありましたか、ありましたところの人口問題に対する審議会におきまして、いろいろと檢討されました結果、我が國におきましても受胎調節は國民の自由意思によつていいということに、あのときの結論は出ておるのでございますが、この受胎調節を國民の意思によるということは無論必要であると思いますが、ただ國民の自由意思に任せて置くというと、或る階級のもののみがそれを実行して、そうして実は我々が是非やつて貰いたいというような階級のものはこれが行われませんのでありますからして、是非とも、積極的に或る階級のものに対して受胎調節を指導し、並びに器具なども必要品は渡すということが、現在の人口政策としては最も必要であろうと思つておるのでありますが、厚生省の御意見としてはそれに対して何か決まつた御意見がございますか。

○説明員(葛西嘉資君) お話のように、私共といたしましては只今のところでは、大臣も先般帆足さんの御質問に対してお答を申上げましたように、主として保健上の立場、或いは医藥上の立場から、希望をいたす國民については親切に受胎調節について実行の方法を申しますか、或いは有害でない器具、藥等の使用の斡旋をいたすようにしたい。保健所その他の機関も活用したいということをお答えしておるのであります。そうなりますと、今御指摘になりましたように逆淘汰と申しますか、これを狙つておる人がこういうふうなことをしないで、むしろそうでない人の方の人口が減つて來るというような現象を起すことは御指摘の通りだとい思ますが、さればと言つて今この際指導と申しますか、もつと極端に言えば行政的と申しますか、どのくらいの階級については妊娠調節をする自由意思に或る程度干渉を加えて行くというふうなことをするということもどうだろうかというふうな感じでございます。実にこの人口問題というふうな問題になりますると、御承知のように國民の中にも実は相当反対の意見もあるわけでございます。從いまして私共といたしましてはやはり只今御指摘になりましたように、受胎調節は國民の自由意思によつてやつて貰う、そういうふうなことをしたいというものについては医藥上差支えない、保健上差支えない指導をし、又器具、藥等も、そういう人々に分けてやるというふうなことをして参りたい。換言すれば、やはり若干逆淘汰の現象等もあるかも知れませんが、さればと言つて、そういう人に國家として干渉する。或いは國家として甚しきに至りますれば強制するというようなことはどうだろうというように躊躇しておるような考え方でございます。



・・・


○説明員(葛西嘉資君) 今谷口委員の御指摘のように、人口問題は非常に國家の將來を考えますと大事な問題でございます。ただこれが取上げ方の時期とか、或いは又取上げ方のやり方というようなものが、極めて御承知のようにデリケートな事情にあるのでありまして、只今のところ政府の内部で大きな人口問題審議会というような基本的な方策の樹立の線に向つての、御指摘のような人口問題審議会というふうなものを作るという具体的なものは、実は只今のところ持つておらんわけでございます。ただこの御指順のように非常に厚生省の部面から見ましても、人口問題研究所もありますし、或いは又優生法の施行というような点もありますし、又医藥品等の器具というような問題もありますので、相当厚生省の内部の各局間にも関連もある事でありまするので、関係の役人だけでございますが、それらの者が集まりまして、人口問題に関する省内の打合会というようなものはやりたいというふうに思つております。例えば今現に問題になつておりまするこの妊娠調節のための医藥品、或いは器具等の発賣というような問題になりますと、相当いろいろの関係で廣いのでございますから、そういうふうな連絡協議というような意味の会合になると思います。これは厚生省の打合せなんかの連絡協議というようなものでありまして、只今のところ内閣の或いは大きな人口問題審議会というふうな具体的なものの持合せはございません。

○谷口弥三郎君 次にお伺いして置きたいのは、この受胎調節に要する器具でございますが、最近藥事法によりまして、避妊の藥品は有害でないならば、無害であるものならば、そうして有効無害と申しますか、そういうものならば許可される方針ということでありますが、從來の、今までにおきまして、そういうようなふうの避妊藥等を発賣したり、或いはいろいろ出しておりまする中で不良藥品が可なりあつた。或いは不良な器具が可なりあつたと思いますが、そういうものにおいても統計か何かできておりませんでしようか、できておりますならば、そういう細かいお話を先ず伺いたいと思います。

○政府委員(慶松一郎君) 実は統計と申しますと、そういうものはちよつとまだ今日お示しすることができませんことは申訳けありませんが、大体の状況を御説明いたしまして御了解を頂きたいのであります。先ず避妊器具でございますが、大体避妊器具はいわゆる藥事法におきます用具の一種となつております。これを作りますには厚生大臣の製造許可を要するのでございます。その意味で現在藥事法で許可されておりますものは「コンドーム」と「ペツサリー」だけでございます。そうして現在いろいろ許可申請で出ておりますものはいろいろございますが、殊にその中で避妊リングとか、或いは避妊ピンというものがございますが、但し從來藥事法が出ます前は、これは有害避妊器具取締規則、昭和五年の内務省令によるものでございますが、それによりまして避妊ピン、避妊リング又はこれに類する器具は販賣を禁止されておつたのでございます。そういうものにつきましても目下申請がございますが、ただその製造許可には愼重を要する問題でございます。殊に避妊リングにつきましては、御存じでもございましようが、こういうものでございますが、これにつきましてはすでに國会に対しまして、これを許可して欲しいという請願も出ておる次第でございます。併しながら相当愼重を要しますので、厚生省にございます藥事委員会におきまして目下審議をして頂いておる次第でございます、專門家によりまして……それからここのございますが、これが避妊ピンというものでございます。これは子宮の入口に差込むのでございますが、これはよく外れましたりして、外れますことによつて、他をつついたりして危いというので、從來禁止されておりますが、これも作りたいというところが相当ございます。併し目下檢討中というところでございます。それから今許されておりますものは別のペツサリーと、それから普通ございますコンドームでございます。これは御存じでありましようが、コンドームで失敗があるというのはピンホールと言いますか、穴が沢山ございます。ただ見ただけでは比較的いいのでございますが、取出して煙を入れますと煙の出るのが往々ございまして、そういう煙を入れて試驗をするように目下指導いたしております。それは出ないようでありますが、今のペツサリーは一緒に藥が附いております。その藥のことにつきましては只今申上げます。今のこれは次宮帽というのでございまして、子宮の口のキヤップでございますね、これは取れ易いというので、これもよくないようでありますが、このペツサリーには大中小あるようでございます。

○小杉イ子君 これはどうして使いますか。

○政府委員(慶松一郎君) これは今のペツサリーに塗るのです。

○小杉イ子君 塗つて嵌るのですか。

○政府委員(慶松一郎君) さようです。子宮の口を蔽うわけであります。そうしますと絶対に入らないのです。

○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて下さい。

○政府委員(慶松一郎君) 今日では新藥事法によりまして、避妊関係につきましてはこれを許可してもよいと、こういうことになりましたので、そこで避妊藥を目下盛んに賣りたいということで申請が出ておる次第であります。大体今日まで避妊藥として申請が出ておりますのは二十数件ございます。この避妊藥につきましは、大体世界中どこの國でもこれを禁じておる所はないようでございます。これには大体におきまして二種類、形の上におきまして大きく分けますと二種類ございまして、一つはゼリーとか、こういうゼリーでございます。ゼリーとか、それから坐薬になつております。ここにございますが、坐藥でございます。これはいずれも油で、中で溶けるものでございますが、今一つございますのは錠剤であります。錠剤膣部に入れますと中で非常に泡が出まして、泡によつて薬が均等になるというものでございますが、併しアメリカにおきまして認めておりますのは、只今そちらに廻りました座藥と、それからゼリー、この二種類だけでございます。この坐藥はいろいろなものがございますが、一番主なるものはフェニール醋酸水銀というもの、これが一置安全でございます。その外オキシシアシ水銀というものもございますが、これは大体花柳病予防のために作つておるものでありまして、避妊の目的のごとく、しばしば用いますものとしては人体に弊害があると、こう考えておりますので、これにつきましては愼重を要すると存じます。

○小杉イ子君 只今一番安全とおつしやつたのはどれでございますか。

○政府委員(慶松一郎君) それはフェニール醋酸水銀と申します。学問的には……これは一番安全であるようであります。それで実は正直に申しますと、こういうものは市場に出ておるのでありますが、これが出ておりますわけは、殆んど花柳病の予防という意味で市販されておるのであります。併し花柳病のいわゆる淋菌その他を殺します藥も亦精虫を殺しますので、その意味で應用されているということでありますが、從つて今日におきましては、まだ避妊ということを標榜した藥は出してはならんということになつておるのでございます。大体そういうところでございますが、ただ一般に申しますと、淋菌その他を殺すよりは、精虫を殺す方が弱い藥ゐ間に合うということが建前のようでございますが、但し精虫によりましても、いろいろ強いもの或いは弱いのもあるそうでございます。專門家に伺いますと、そういう意味で一〇〇%ということまでは行かないにしても、九〇何%までは行くということであります。但しこれにつきましても、勿論尚有効で且つ害が少いものを賣ることが必要でございますので、その意味におきましては、はやり若しも許可されましたならば、十分な國家的な監督、或いは檢査することが必要だろうと私共は考えておる次第でございます。大体以上であります。

○谷口弥三郎君 いろいろと受胎調節に要する藥品、器具についてのお話を聽きまして、尚これを発賣した後には今後よく取締をやつて時々檢査をして実際に有効であるかどうか、うまくその藥ができておるかどうかというようなことを調べるというお話でありますが、それは是非そういうようなことにして頂かんければ、折角いよいよ避妊の薬として許可されるものを、本当にそれがうまく或いは藥品の分量が入つておるか、又藥品がうまく混合されておるかというような点において余程注意して置かんとよくないと思いますから、是非その際にはおやりを願いたいと思うのであります。それからこの受胎調節に要する藥品、器具を、これを檢査するということは可なりむずかしいことでありまして、実は私共もいろいろとどのくらい効くかということを調べて見るというと、その人々のものによつて非常に力が違いますので、個人差が可なり激しいからして、実際にあれば三十分で精子が動かんようになる場合もあり、或いは十五分で動かんようになる場合もあり、一時間でもその上も元氣にしておるのがあるのでありますから、余程檢査をするときに御注意を願いたいと思うのであります。最後に、私の意見を申上げて置きます。受胎調節をやりますのには、先刻葛西次官のお話によるというと、國家としては無論國民の自由意思に任すので、或る者に対して強制的に何とかいうことはなかなか反対の人も対いから、これは困難であるというお話でございましたけれども、実際におきまして、この國民の自由意思に任すということは無論必要なことで、全部自由意思には任しますけれども、自由意思を実際に行う率というのは本当の或る階級、そういう方面に特別関心を持つておる人々、或いは頭のいい方々は子供の教育などに非常に関心を持つておられる方々のみでありまして、そうでない方面、子供の教育などに無関心に方は絶対にこれをやろうともいたしませんし、又殊に生活保護法などによるような金のない星級は、折角やろうといたしましてもサラリーマンではダッチペツサリーを買おうといたしましても、サンシンペツサリーを買おうといたしましても可なり金が要るものですから、使い切らずにおるのが今の現状でありますからして、是非國家は或る種類の者に対してこういうのを指導させる者を養育しまして、そうしてこれはとても病院に來いとか、保健所に來いとか言つて來る列であつたら自分でやりますけれども、実際に希望するのは、そういうものに來んような列で、こちらから行つて勧告して、初めてああそうかと言つてやるような列に是非実行せねばならんと思います。そうせねば國民素質の低下は絶対に防がれんのでありますからして、人口の急速な膨脹を防ぐと共に、國民素質の低下を起さんようにするには、是非職場にとか、家庭にとか進んで行つて、それを世話する人間を、いわゆる指導婦を置かんければ目的は絶対に達せんと思いますので、是非そういう方面にも頭をもう少し向け変えて、と言つては失礼でありますけれども、少し回轉して頂いて、そこまで是非持つて行くように、厚生省は本氣になつて人口対策に進むというようにならなければ到底駄目だと思いますが、如何なものでしようか。


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食料自給率について

食料自給率に関して、テレビでCMまでやっているが、本当にどのような状況なのであろうか。
いろいろ調べてみるといろんな意見がある。

「食料自給率40%」の虚構さえ見抜けぬマスメディアの不勉強
http://diamond.jp/series/noguchi/10042/

食料自給率という幻想
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/dc1ed23cfded932bbfe48b6e39058e5e